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情報セキュリティ教育の種類:研修・eラーニング・メール訓練の組み合わせ方

更新日:2026年9月27日 作成:メール訓練比較ラボ 編集部(調査の方法と編集の方針)

情報セキュリティ教育とは

情報セキュリティ教育とは、社員一人ひとりが、情報を守るための自分の役割と、その果たし方を理解できるようにする取り組みです。経済産業省の「情報セキュリティ管理基準(令和7年改正版)」は、意識向上の目的を、要員に各自の責任とその果たし方を認識させることだとしています(6a-6.3.5)。

同じ基準は、教育について次のことも挙げています。

  • 意識向上・教育・訓練は、定期的に行う(6a-6.3.2)
  • 新しく入った人や、異動で役割が大きく変わった人にも行う(6a-6.3.3)
  • 活動の終わりに、理解の度合いを評価する(6a-6.3.4)

教育の方法は一つではありません。同じ基準は、意識向上の手段として、キャンペーン、パンフレット、ポスター、会報、ウェブサイト、説明会、ブリーフィング、eラーニング、電子メールなどを挙げています(6a-6.3.9)。この記事では、企業でよく使われる6つの種類と、その組み合わせ方を整理します。

教育の主な種類

種類 向いていること 手間がかかる点
集合研修 質問を受けながら深く伝える、話し合う 日程と会場の調整
eラーニング 全員に同じ内容を届け、受講を記録する 教材の用意、未受講の人への催促
動画などの短い教材 すき間時間に、手口のイメージをつかむ 受講の確認がしにくい
メール訓練 実際の行動(開く・報告する)を確かめる 準備、配信の設定、問い合わせ対応
テスト 理解の度合いを確かめ、記録に残す 問題の作成と更新
注意喚起の配信 最新の手口をすぐに知らせる 情報の収集と、読まれる工夫

集合研修

会議室やオンライン会議で、講師が説明する形です。質問にその場で答えられ、グループで話し合う演習もできます。総務省の調査では、新しく採用した職員向けの集合研修の中で、情報セキュリティの講義を行う例が紹介されています(総務省「国の行政機関における情報セキュリティ対策に関する実態調査」2021年)。

事故が起きたときの動き方を学ぶなら、机上演習も集合研修の一つです。IPA(情報処理推進機構)は、ランサムウェアの感染を題材に、座学とグループでの話し合いで対応を考える演習教材を公開しています。ただし、この教材は営利目的での利用ができないなど、利用上の注意があるため、使う前に確認してください。

eラーニング

パソコンやスマートフォンで、各自が教材を読み進める形です。受講したかどうか、テストの点数などを記録に残せます。総務省の調査では、eラーニングを受けていない職員について、業務システムのアカウントを止める措置をとる府省庁や、異動や育児休業からの復帰のあと3か月以内にeラーニングを受けさせる府省庁の例が紹介されています。

動画などの短い教材

数分の動画、マンガ、1枚もののスライドなど、短い時間で読める教材です。IPAは、ドラマで脅威と対策を学べる「映像で知る情報セキュリティ」や、1テーマ5分で学べる「5分でできる!情報セキュリティポイント学習」を無料で公開しています。

メール訓練

実際に訓練用の攻撃メールを送り、社員がどう行動するかを確かめる方法です。ほかの教育が「知識を伝える」ものなのに対し、メール訓練は「知っていることを行動にできるか」を確かめる点が違います。訓練の目的や進め方は「標的型メール訓練とは」で解説しています。

テスト

小テストや確認問題で、理解の度合いを確かめます。IPAの「5分でできる!情報セキュリティポイント学習」は、各テーマの最後に確認テストが付いています。経済産業省の管理基準が求める「理解の評価」を記録に残す方法として使えます。

注意喚起の配信

最近届いた不審なメールや、新しい手口を、メールや社内の掲示板で知らせる方法です。総務省の調査では、職員が実際に受け取った攻撃メールを電子掲示板に載せ、誰もが攻撃を受けうることが伝わるよう工夫した例が紹介されています。

組み合わせ方の考え方

「知る」と「確かめる」を組み合わせる

教育は、一つの方法だけでは足りません。総務省の調査では、24府省庁のうち21府省庁が標的型攻撃メール訓練を、20府省庁がeラーニングや教材による研修を行っていました。集合形式の演習は11府省庁、実際の事故を想定した演習は9府省庁でした。多くの組織が、知識を伝える方法と、行動を確かめる方法を組み合わせていることがわかります。

IPAも、不審なメールへの対策として、教育・研修を行い、その中で報告の手順を知らせることと、メール訓練で報告を手順どおりに行うところまで演習することの両方を挙げています(IPA「企業組織を狙う攻撃メールの手口とその対策」2026年)。

年間の組み立ての例

組み合わせ方の一例です。

  1. 年度の初め:全員にeラーニングとテスト。新しく入った人には集合研修
  2. その後:メール訓練を行い、行動を確かめる
  3. 訓練の直後:種明かしと、短い教材での振り返り
  4. ふだん:新しい手口が出たら、注意喚起を配信する
  5. 年度の終わり:結果をまとめ、次の年の内容を見直す

訓練後の教材の選び方は「種明かしと訓練後の教育」、訓練の回数と時期は「訓練の頻度と年間計画」で解説しています。

内容は「特定の文面」に偏らせない

IPAは、攻撃メールの文面や誘い方は変わり続けるため、教育では具体的な文面や手口を伝えると同時に、特定の文面だけでなく、不自然・不審なメール全般への意識を高める内容にすることが望ましいとしています。訓練で使った文面の見分け方だけを覚えさせるのではなく、「迷ったら報告する」という行動を、どの種類の教育でも繰り返し伝えましょう。

対象者ごとに分ける

経済産業省の管理基準は、意識向上の計画を、社外の要員を含めた役割を考えて立てるよう求めています(6a-6.3.6)。全員向けの内容に加えて、管理職向け、新しく入った人向け、技術を担当する人向け、と内容を分けると、無理なく続けられます。

教材は公的な機関のものも使う

教材を一から作らなくても、IPAの「情報セキュリティ教材・ツール」のページには、企業向けの教材がまとめられています。社内で講習会を開く人向けのセミナーも案内されています。メール訓練の仕組みや、訓練後の教材がそろったサービスもあるため、どこまで任せられるかは比較表で確認してください。

まとめ

  • 情報セキュリティ教育は、社員が自分の役割と、その果たし方を理解できるようにする取り組み。定期的に行い、理解の度合いを確かめる
  • 主な種類は、集合研修、eラーニング、動画などの短い教材、メール訓練、テスト、注意喚起の配信
  • eラーニングや研修は「知る」、メール訓練は「行動を確かめる」。両方を組み合わせる
  • 内容は特定の文面に偏らせず、「迷ったら報告する」を繰り返し伝える
  • IPAの無料教材も使える。利用上の注意は教材ごとに確かめる

参考にした情報

記事の内容は2026年9月27日時点の情報です。サービスの料金・機能は比較表で確認できます。

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