サポート詐欺の手口と、会社のパソコンで起きたときの備え方
更新日:2026年9月27日 作成:メール訓練比較ラボ 編集部(調査の方法と編集の方針)

サポート詐欺とは
サポート詐欺は、パソコンの画面に「ウイルスに感染しました」という偽の警告を表示し、画面に書かれたサポート窓口に電話をかけさせる手口です。警察庁は、電話をかけた人に有料のサポート契約を勧めたり、セキュリティソフトを装って遠隔操作ソフトをインストールさせたりすると説明しています。
IPAによると、偽の警告は画面いっぱいに表示され、警告音が鳴るなどして、マウスの操作では閉じにくくなっています。警告の内容はすべて根拠のないうそで、画面が表示されただけならパソコンはウイルスに感染していません。
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」の個人編では、「サポート詐欺(偽警告)による金銭被害」が7年連続で選ばれています。個人向けの項目ですが、会社のパソコンでも同じ画面は表示されます。
入口は2つに分けて考える
| 入口 | 公表資料で確認できる内容 |
|---|---|
| Web閲覧 | IPAは、不審な広告、検索結果、動画の再生ボタン、ブラウザの通知のクリックをきっかけとして挙げています |
| メール | IPAの10大脅威 2026 組織編は、悪意あるメールやSMSに書かれた電話番号が偽のサポート窓口などにつながるおそれがあるとして、電話をかけないよう注意しています |
IPAの「サポート詐欺レポート 2024」は、広告など多くの人が目にする場所から偽警告に誘導されることが、主な被害の要因と考えられるとまとめています。メール訓練で扱えるのは、このうちメールが入口になる場合と、「警告が出たあとにどう動くか」の部分です。
被害の例
- 電話から遠隔操作へ:警察庁の相談事例には、警告画面の番号に電話し、指示どおり遠隔操作ソフトをインストールした後、ウイルスの除去費用としてクレジットカードで支払ってしまったものがあります
- 電子マネーでの支払い:別の相談事例では、3年間のサポート代金5万円を電子マネーで支払うよう言われ、コンビニで購入した電子マネーの番号を伝えてしまっています(警察庁)
- 会社のパソコンでの相談:IPAは、会社のパソコンに警告が出て社員が電話をしてしまったという相談を紹介しています。職員が電話の相手を不審に思ってシステム管理者に報告し、すぐに電話を切るよう指示を受けた事例もあります
IPAは、会社のパソコンを遠隔操作されると、中に機密情報や個人情報があった場合に情報漏えいとして対応するかの判断や調査を迫られ、対外的な発表に至るケースもあると説明しています。テレワーク中で周りに相談できる人がおらず、自分で解決しようとして被害に遭うことも要因の一つと考えられています。
訓練での再現のしかた
訓練では、本物の警告画面のように操作できなくなる仕組みは使いません。訓練用のページで「警告が出たら管理者に連絡する」という行動を確かめる形にします。
件名と本文の要素
- 件名:「セキュリティの警告」「ウイルスを検出しました」「サポート期限のお知らせ」のような型
- 本文:「至急お電話ください」とサポート窓口の番号を示す、またはリンクを開くと警告画面が出る
- 差出人:パソコンのメーカーやセキュリティソフトの会社、社内のIT担当を名乗る
電話番号を載せる場合は、実在しない番号や社内の内線など、つながっても問題のない番号にしてください。文面の型の考え方は「訓練メールの文例・件名の作り方」も参考にしてください。
訓練で身につけたい行動
IPAと警察庁の呼びかけをもとに、次の行動を訓練の目標にします。
- 画面やメールに書かれた電話番号に電話をかけない
- 画面の指示に従ってソフトをインストールしない。管理者の許可なく、遠隔操作を許可しない
- 警告が出たらブラウザを閉じ、自分一人で判断せず、社内のルールに従って管理者に連絡する
- 電話をかけてしまった、遠隔操作をさせてしまったときも、すぐに報告する
電話や遠隔操作をしてしまったときの動きも教える
警察庁は、被害に遭った場合の対応として次のような点を挙げています。会社のパソコンの場合は、担当部署の指示のもとで進めるよう、あわせて伝えておきます。
- インストールしてしまったソフトがある場合は、ネットワークから切断し、ウイルスのチェックとアンインストールを行う。可能であれば初期化し、パスワードを変更する
- クレジットカードや電子マネーで支払ってしまった場合は、カード会社や電子マネーの管理会社に連絡する
- 偽の警告画面や支払いの記録を保存し、警察に相談する
IPAは、偽警告の画面の閉じ方を自分のパソコンで試せる体験サイトを公開しています。訓練後の教育では、閉じ方もあわせて伝えましょう。教育の進め方は「訓練後の教育」、報告を増やす工夫は「不審メールの報告が上がらない組織の対策」で解説しています。
選ぶときに見る点
サポート詐欺を想定した訓練をしたい場合は、次の点を確認してサービスを選びます。
- 偽警告を模した訓練ページ:リンクを開いた人に、警告画面を模した訓練用のページと解説を表示できるか
- 電話番号を載せる文面:本文に電話番号を載せた訓練メールを作れるか、番号を自社で指定できるか
- 行動の記録:リンクを開いた人と、報告した人を分けて記録できるか
- 教育の教材:偽警告の見分け方や、社内への連絡のしかたを学べる教材があるか
Web閲覧から表示される偽警告は、メール訓練だけでは再現しきれません。広告などから表示される場合があることは、教育の中で伝えましょう。各サービスの対応状況は比較表で確認できます。
まとめ
- サポート詐欺は、偽の警告画面から電話をかけさせ、遠隔操作や支払いに誘導する手口です
- 公表資料で主に確認できる入口はWeb閲覧で、メールに書かれた電話番号にも注意が呼びかけられています
- 会社のパソコンで遠隔操作を許すと、情報漏えいとしての調査が必要になることがあります
- 訓練では、「電話しない」「遠隔操作を許可しない」「一人で判断せず管理者に連絡する」を身につけます
- サービスは、偽警告を模した訓練ページ、電話番号を載せた文面、行動の記録、教材で比べましょう
参考にした情報
- サポート詐欺対策(警察庁)
- 偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ(IPA)
- サポート詐欺の偽セキュリティ警告はどんなときに出るのか?(IPA 安心相談窓口だより)
- 会社や組織のパソコンにセキュリティ警告が出たら、管理者に連絡!(IPA 安心相談窓口だより)
- サポート詐欺レポート 2024(IPA)
- 情報セキュリティ10大脅威 2026 解説書[組織編](IPA)
- 情報セキュリティ10大脅威 2026[個人編]ハンドブック(IPA)
記事の内容は2026年9月27日時点の情報です。サービスの料金・機能は比較表で確認できます。